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健保、4分の1超が解散危機=25年度試算-健保連


昨日のニュースで流れていましたが、健康保険組合連合会(健保連)が25日に以下のような試算を発表したそうです。

2025年には団塊の世代が全て75歳以上となり、健保組合が高齢者医療に拠出するお金が急増するため、健康保険組合の4分の1を超える380組合が財政悪化により2025年度に破綻してしまうことが明らかになりました。
そういった危機的状況にある中、各組合とも破綻回避のためには保険料率のアップを検討せざるを得ず、その結果、平均保険料率は15年度の9.1%から25年度に11.8%に上昇してしまいます。
そうなると、これら380組合においては25年度推計保険料率は12.5%以上になることが予想されます。
そのため多くの健保組合の保険料率が公的健保組合である「協会けんぽ」の保険料率を超える計算になります。
健康保険組合の保険料率が協会けんぽの料率を超えてしまうと、わざわざ高い運用コストをかけてまで自前の健保をもつ理由もメリットもなくなってしまいまいます。
その結果、「金食い虫」の組合は解散して協会けんぽに移行しようする動きが一気に進むことになります。
しかし、協会けんぽの運営には税金が投入されていますので、そこに大量の組合員やその扶養家族が流入してしまうとさらに協会けんぽの財政がひっ迫し、ますます税金負担が増加するのは避けられない事態になってしまいます。

文章は私の方で若干脚色・校正してありますが、おおむねこんな内容の発表だったかと思います。

ここで健保連がいいたいのは、

1.健康保険組合の加入者そのものが減っており、保険料収入が減っている。
2.保険料収入が減っているにも関わらず、医療費は増加しており、高額化している。
3.高齢者医療への拠出金などの負担が大きすぎてまかないきれない。


といったことではないかと思います。
1は特に説明の必要はないと思います。労働者人口が減れば、それだけ組合員も減って保険料収入が減ってしまうのは当然です。
2は高齢化による医療費割合の増加や、医療技術や薬の進歩により、これまで治療できなかったものが治療できるようなったとかいった事情があるようです。
医療技術や薬の進歩は素晴らしいことなのですが、それが医療費の単価を引き上げている理由にもなっています。
3はこれは以前から言われていたことで、当たり前の話ですが団塊世代の人がいずれ75歳以上になるのは自明の理であって、本来ならもっと早いうちに手を打っておくべきだった事柄です。
ただ、厚労省としては増え続ける医療費を全体を見て対策を打たなければならず、それならば一番取りやすい健保組合からとってやれ、というのもある意味仕方のない話かなぁ、と思います。
ただ、ちょっとえげつない取り方をしているのも事実ですが。
下記は健保組合がお国(厚労省)に拠出しなければならない拠出金の例です(一部変わってるかもしれません)。

・後期高齢者支援金
・前期高齢者給付金

・退職者給付拠出金
・病床転換支援金 
・老人保健拠出金


この中で突出して大きいのが後期高齢者支援金と前期高齢者給付金です。この2つだけで健保によって差はありますが、健保の年間予算の約50%以上を食っています(ほかの拠出金は微々たるものです)。
だいたい実際の医療にかかったお金が予算の約40%から45%くらいですので、この2つの高齢者拠出金がいかに大きいかわかります。
すなわち健康保険組合は組合員と会社からあづかったお金の半分以上をお国に差し出しているわけです。
これは高齢者の負担の少ない健康保険組合と国民健康保険制度とのギャップを埋めるためのもので、社会全体で高齢者医療を支えようというわけです。

あと、健康保険組合は厚労省からの指示でいろいろな保険事業をやることを義務付けられています。
だいぶ前に流行ったメタボ対策などその最たるものですが、当時その運営にかかわっていた私としては、あんなもの何の役にもたたない、お金をどぶに捨てるようなものだったと今でも思っています。
まぁ、それでもやらないといけないわけで、そこに余計なお金と人手を取られてしまうのはどうも納得がいきませんでした。
今もまだ役に立たない保険事業をあちこちでやってると思います(もちろん中には意味のあるものもありますよ。人間ドック補助とか、インフルエンザ予防接種補助とか)。

国としては、金がないなら増税するか、あるところから取るしかないわけです。
だから昔はいっぱいお金が余っていた健康保険組合に白羽の矢がたってしまったというわけです。
まぁ、健康保険組合の財政問題はもう10年以上も前からの話で少々うんざり感もあるのも否めません。
ただ、今回の記事では、ないところから取り続けたため、とうとう我慢の限界を超えてしまい健保が破綻してしまい、結局は増え続ける医療費を税金で対処しないといけない、ということになるという最悪のシナリオに触れているのがこれまでとはちょっと違うのかなぁなんて考えています。

それにしてもこの健康保険組合の破綻危機問題はとうとう先送りができない、どん詰まりまで行ってしまった感があります。
医療従事者の労働問題も含めて医療制度そのものの見直しが迫られています。

P.S.
2016年度時点で健保組合は全国に1399組合あるそうです。
私が健保の事務長やってたときは1450組合くらいだったと記憶しています。
たった4,5年で50以上の組合が解散したってことですね。
こりゃ本当にヤバイです。

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すごい判決です。

大阪高裁(金子順一裁判長)は2014年7月17日、 旧農林漁業金融公庫(現在の日本政策金融公庫)に勤務 していた男性(当時38歳)の自殺の原因が業務にあるとしていた一審の大阪地裁の判決を破棄する判決を言い渡しました。
これはすごい判決です。
2013年3月6日、大阪地裁の判決(稲葉裁判長)では、転勤の引き継ぎや転勤後に担当案件が増えるなど、業務の心理的負荷でうつ病を発症した」と認定したうえで、
「公庫は男性が相当残業しても業務が遅れがちだったのを認識していたのに、健康状態が悪化しないような適切な措置をとらなかった」
と指摘して約8800万円の賠償を命じていました。

しかし、今回の判決では、金子裁判長は
「長時間労働が恒常的で業務が過重とは言えない」と因果関係を否定した上に、公庫側は本人の心身の不調を予測することも困難だった、
と指摘して、一審を破棄しました。

うーん、判決主文を読んでいないので何とも言えませんが、先日の東芝電気の最高裁判決とは真逆ともいえる判決ですし、ここのところの労働者側優位の判決の流れに見事に逆行する判決と言えます。
特に私が気になるのが、「公庫側は本人の心身の不調を予測することも困難だった」という点です。
これは本当にそうなのでしょうか?
もし、本当だとしても、それこそ先の最高裁判決での、「精神的な疾病に関しては重度のプライバシーが尊重されるべきであり、その疾病に関して会社側に申告しなかったからといって、会社側の安全配慮義務を免れるものではない」といった趣旨に真っ向から反対することになります。
さっそく、あちこちでこの判決に対する意見が巻き起こっているようですが、やはり疑問に感じている意見が多いように思います。

でも、私としてはもう一点気になるところがあります。
今回のうつ病の原因が業務に直接結びつかない、とまでは判決も言っていないかとは思います。しかし、重大な安全配慮義務違反まであった、とまでは言えない、という趣旨なのだろうと予測します(何しろ主文読んでないもので)。
とはいっても、安全配慮義務違反がない、と言い切る根拠は何なのでしょう?
何よりも、この男性の自殺に関しては2007年12月に(自殺したのは2005年5月)労災認定がなされています。これは第一審の判決前ですから、当然、この労災認定という事実が判決に影響を与えているのは間違いありません。
しかし、今回の高裁判決では、この点が完全に無視されています。もしくは、労災認定がなされ、法定給付が行われたということで、公社側の責任が免除されたと判断されたか、です。

しかし、この流れで、もし。この判決が確定したらどうなるのでしょう?
労災認定が取り消されてしまうということになるのでしょうか?
何しろ、うつ病の原因は業務ではない、と言い切られてしまっているわけですから、労災認定の根拠たる業務起因性が否定されてしまえば労災認定は誤り、ということになります。
もっと、言えば、裁判所が一度裁定を下した労働基準監督官の判断を誤りだった、と指摘しているとも取れます。
どうも、この点がすっきり来ません。

ただ、高等裁判所の裁判長ほどのお偉い、頭のいい方がこういう判断をしたということは、何らかの反証が公社側にあった、ということなのでしょう。
今後引き続き、この判決の行方は追っかけていきたいと思います。

まだまだ情報が不足しています。

過労死等防止推進法の成立

あまり報道されることもなく、なんとなくじみーに成立した感のある「過労死等防止推進法」。
労働安全衛生法改正案が成立する前、2014年6月20日に参院を通過して成立しました。
これって、どんな法律かというと、思い切り砕いて言うと、

過労死って良くないってことを国も国民も事業主もちゃんと理解して、起こさないように努力しようね。

って内容です。
まぁ内容はともかくとして、国が過労死に向き合ってちゃんと対策を打たなきゃいけないよ、って決めた(宣言した?)ことは評価してもいいかと思います。
(何をいまさらって意見もありますが・・)
具体的に何をするかっていうのは、これからもっと出てくるのだろうけど、法文の中で明確になっているのは、

・11月17日から23日までを過労死等問題啓発週間とする(勤労感謝の日があるから?)
・国の取るべき対応
 (1)過労死の実態の調査研究
 (2)教育、広報など国民への啓発
 (3)産業医の研修など相談体制の整備
 (4)民間団体への支援――を列挙
・過労死等防止基本計の策定


となっていて、国の取るべき対応については、自治体や事業主には対策に協力することが努力義務となっています。

こんな法律ができたからどうだってんだ?
てな疑問を持たれる方も多いと思います。
事業主にしても努力義務ですから特に法的拘束力があるわけではありません。
(「努力義務」に関しては2014-07-02の記事を参照ください)
この法律ができたからと言って、すぐに過労死がなくなる、とか、劣悪な労働環境が改善する、とかなんて起こるはずありません。
そういう法律だからこそ、注目を浴びることなく、こっそりと法案成立したのかもしれません。

しかし、

この法律ができたことで、過労死対策を国が責任を持って実施しなくてはならなくなりました。
国が過労死対策をやる、ということは、国が過労死の責任を負う可能性があるということです。
過労死で亡くなった方の遺族は国の責任を追及できる可能性が生まれました。
(もちろん、他に責任追及できる相手がいない場合ですが)
国がしっかりと対策をとっていなかったから過労死が起きたのだと・・
でも、国はそれを一番いやがります。

とにかく、国に責任はない、の一点張りで来ると思います。
そこで、出てくるのが、

第6条 事業主は、国及び地方公共団体が実施する過労死等を防止するための施策に協力するとともに、その雇用する労働者の健康の保持を図るため必要な措置を講ずるよう努めるものとする。

です。
さらっと書いていますが、労働契約法で定める安全配慮義務と同様のものがここでも明記されたことになります。
見事な国の責任の押し付けです。
国は委員会や協議会を開催したり、独立行政法人を使って適当に何か事業をやっていれば責任を逃れられることになります。
しかし、ただでさえ経営が苦しい企業でこの法律まで手が回るはずがありません。

過労死が発生した事業主は安全配慮義務で責められるだけでなく、この過労死等防止対策推進法の第6条でも責めを負うことになります。
事業主が遺族から訴えられた場合、安全配慮義務責任を果たしていたという事を抗弁するだけでなく、この過労死等防止対策推進法第6条の事業主の責任への説明責任も発生することになります。

あまり注目はされてはいませんが、事業主の果たすべき義務はこんなところでも増大し続けているという事を理解しておかないといけません。これもリスクマネジメントの一つです。
しかし、何よりも「過労死」を一事件として考えるのではなく、「悲劇」として向き合う姿勢が必要だと思います。
何度も書きますが、法律はその法文をどう解釈して対応するべきかを考える前に、なぜ、こういった法律ができたのか、という立法趣旨をしっかりと認識しておくことが重要です。


<お断り>
当初私はこの法律を「過労死等防止基本法」と記述していました、しかし正確には「過労死等防止推進法」でした。大変失礼いたしました。
最初、議員立法として「過労死等防止基本法」が185回国会に上程されましたが、時間切れで継続審議となっていました。その後、自民党の雇用問題研究会の「過労死等防止に関するワーキング・チーム」を中心として「推進法案」が取りまとめられ、上程されたため「基本法」は撤回されています。
そして、186回国会にて「過労死等防止推進法」が成立いたしました。
以上が簡単な法案成立の流れです。失礼いたしました。

精神科と心療内科と神経内科

精神科と心療内科と神経内科の違いは?
一般の人の間では意外にこの3つの区別があいまいです。
特に精神科と心療内科の区別がわからない、って声をけっこう耳にしますし、
話を聞いていて、それって「心療内科じゃないの?」とか思ったり、その逆を感じたりもします。
では、その違いとは、

精神科は心の症状を専門に扱います。いわゆる「精神疾患」てやつです。
具体的に言うと、不安、不眠、抑うつ、イライラ、幻覚・幻聴なんかです。心の症状を扱うので精神療法が主となり、これに薬物療法を組み合わせて治療します。これらの疾患は精神科が受け持ちます。

一方、心療内科というのは主に「心身症」を扱います。
「心身症」というのは、日本心身医学会の定義によると、
「身体疾患の中で、その発症や経過に心理社会的な因子が密接に関与し、器質的、ないし機能的障害が認められる病態をいう。ただし、神経症やうつ病など他の精神障害に伴う身体症状は除外する。」
だそうです。
よくわからないですが、なんかすごそうです。
まぁ、批判を承知で思い切り簡単に言ってしまうと、
「心の問題が体に及ぼす症状」
ちょっと、あまりに簡単すぎますが、間違いではないでしょう。
心理的な原因で体に何らかの症状(腹痛、頭痛、倦怠感等々)が出ているので、物理的な問題が見つからない状態になります。
どこも悪くないのにお腹が痛い、とかいうやつですね。
こういった場合は原因が心理的なものなので、いくら検査しても物理的に悪いところが見つかるはず有りません。まずは心理的な原因を突き止めて対応する必要があります。私の主観ではありますが、まずは症状を抑えるための対処療法と抗鬱剤のような処方の薬物治療が主となるように思えます。
体の病気症状があることから、神経内科に関しては精神科の医師だけではなく、内科医も取り扱うケースが非常に多いです。よく「内科・心療内科」と並べて科が書かれている看板も目にします。

「精神科」というのは当然、精神科の先生が担当されるのですが、開業される際などには「精神科」では患者も来づらいのでは、ということで、精神科であっても「心療内科」をあげているクリニックも多いようです。
まぁ、お医者様といえども客商売ですから、顧客志向は必要ですね。

ちなみに「神経内科」というのは、脳神経そのものを扱います。まさに文字通り「脳神経」を扱う科です。これは心という意味での神経ではなく、物理的な神経組織を意味します。
したがって、神経内科はほかの2つとは異なるものです。

2013年度労災補償状況

27日に厚生労働省が2013年度の脳・心臓疾患と精神疾患の労災補償状況を公表しました。
その中で、仕事上のストレスによるうつ病などの精神疾患で労働災害が請求されたケースが1409件で過去最高になったそうです(認定数は742件で若干昨年より減少)。
これをどうとらえるかに関してはいろいろな考え方があると思います。

ストレスを受ける状況が増えた、
ストレスの強度が上がった、
人と人のつながりが薄くなりストレスの自然解消の機会が減った、
人のストレス耐性が落ちてきた、


等々です。
しかし、精神疾患の労災申請の件数が増加したのは、やはりその申請のハードルが下がったことがかなり大きいだろうと私は思います。
以前は「心理的負荷による精神障害等に係る業務上外の判断指針について」(1999年9月14日基発544号)に基づいて別表の判断指針別表1「職場における心理的負荷評価表」により心理的負荷の強度を判定し業務上外の認定作業が行われてきました。
しかし、認定までの手間がかかるうえに時間もかかることから、厚労省では2010年10月に「精神障害の労災認定の基準に関する専門部会」を立ち上げ、その結果を「心理的負荷による精神障害の認定基準について」(2011年12月26日基発1226第1号)を公表しました。
これによりわかりやすい心理的負荷評価表が定められるなどして、認定プロセスが大幅にオートマチック化されました。
プロセスが簡略化されたおかげで認定作業がかなり迅速化されました。これでかなりハードルが下がったと思います。
しかし、ハードルが下がったおかげで請求が増えて、請求がふえるっていうことは認定件数も増えてくる可能性があるということで(2013年は若干さがってはいますが)、そうなると、今や労災とセットのようについてくる民事の損害賠償請求も増えてくるということです。
その金額も年々増加の一歩をたどっておりますし、企業側が勝つ見込みはほとんどありません。

事業主としてはこれからもストレス対策・メンタル対策に頭を悩ませないといけない状況になりそうです。
プロフィール

気まぐれ社労士 

Author:気まぐれ社労士 
企業では安全配慮義務や労務管理、人事制度・諸規定など課題はたくさんありますが、今の企業では「疲れ」への対策がすごく重要です。少しでも人事関連で疑問やお困りのことがあればご連絡ください。きっと解決策が見つかります!





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