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過労死等防止対策推進シンポジウム

昨日神戸の県民会館で開催された過労死等防止対策推進シンポジウムに参加してきました。
2年前の過労死等防止対策推進法施行に合わせて厚生労働省主催で「過労死をゼロにし、健康で充実して、働き続けることのできる社会へ」をテーマに過労死等防止啓発月間に日本全国で実施されているものです。
以前からずっと参加したいと思っていましたが、なかなかタイミングが合わず、ようやく今回参加することができました。

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会場は13時半からで14時開催だったのですが、13時20分に会場に行ってみるとすでにけっこうな数の方が入場されていました。最終的に立ち見の人すらでる360名の出席者があったそうです。
あちこちでシンポジウムの公法活動が積極的に行われたことが一番の理由かと思いますが、やはり電通事件などの衝撃がここのところ続いてしまっていることで注目も集まったことも理由の一つかと思います。

プログラムは過労死防止全国センター代表幹事の川人弁護士の講演をはじめ、事業主からの取り組み報告、桂福車師匠の過労死を題材にした落語、過労死防止対策推進センターの活動報告、過労死に関する大学での授業を受けた若者の声のビデオ、そして過労死遺族の声、と進んでいきました。
どのプログラムも大変熱いメッセージを感じました。
特に過労死遺族の声に込められた悲痛な思いには激しく心を揺さぶられました。

「息子の命まで会社に捧げたつもりはありません」

活動報告のところで、息子さんを過労死で亡くされた西垣兵庫センター代表理事の必死で声と感情を押し殺した悲痛な叫びには会場の多くの人が熱いものを感じていたと思います。私も思わず涙がこみ上げてきました。

やはりどう考えても仕事で人が死ぬなどとはおかしいです。
死ぬために仕事をしているはずがありません。
死んでまでやらないといけない仕事っていったい何なんでしょう。
亡くなった方も死にたいなんて思っていたはずはありません、しかし、そこに追い込んでしまう仕事って仕事なんでしょうか。


本当にその人が余人をもって代えがたいのであれば、その人が亡くなってしまえばその組織は崩壊するはずです。
しかし、現実ではそんなことは起こっていません。
結局ほかの誰かが引き継いでいるか、その仕事がなくなっているか・・とにかく組織は何事もなかったかの如く継続しています。
そこでは何もなかったかの如く・・


過労死は亡くなったご本人もそこまで追い詰められてしまう悲劇には違いありません。しかし、残された遺族や親しい友人たち(恋人もいたかもしれません)にとっても悲劇です。
そして、近しい人を失った悲しみに重ねて襲ってくる悲劇が、その過労死の原因を作った企業の態度です。
「なぜ自分の大切な人が死んでしまったのか?」
こう考えるのは当たり前ではないでしょうか?
しかし、この素朴で自然な疑問への答えを知ることさえご遺族の方々には大きな障害があります。
事実を隠蔽しようとする企業の態度です。ひどい場合には事実を曲げて改ざんすら行います。
ご遺族はそうした企業と必死で戦いながら「一体何が起こったのか」を明らかにしていかなければいけません。
一個人が大きな企業組織に立ち向かっていかなければいけないのです。
そこには想像できないような大変な苦労があったはずです。
それでも、たとえ一部でも事実が明らかになるのは全体のほんの一部でしかないと聞きます。
相当数の事例では泣き寝入りせざるを得ない状況であるとのことです。
まさに二重の苦しみです。
人をそこまで不幸にする権利が誰にあるのでしょうか?

企業のすべてが、事業主のすべてが過労死の原因を作っているとは思いません。
それどころか、そうならないように必死に努力している企業の方が大多数であろうと思います。
それでも過労死を出してしまう企業が存在するという事実は事実です。
そういった企業も「人は宝」とお題目のように唱えるのではなく、本当に「人を活かす、会社を活かす」にはどうすればいいのかを考えてほしいと思います。
「人を大事にします」本当にお題目にはうんざりです。

お父さんを小学生の時に過労自殺でなくされた方が中学生の時に書かれた作文の中の一文です。
勝手で申し訳ありませんが引用させていただきます。

「僕は、仕事のための命ではなく、命のための仕事であると考えます。命こそ宝です。」

あと、講演の最後で川人弁護士が話された言葉が最後まで耳に残る一日でした。

「一体何人死ねば過労死はなくなるのか?」

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御社の「人」のお悩み解決します。
人事制度・労使問題・メンタルヘルス・安全衛生対応
社会保険労務士事務所 岡本労務管理事務所

特定社会保険労務士・産業カウンセラー・国家資格キャリアコンサルタント・RSTトレーナー・心理相談員
岡本 寛明

詳しくは下記ホームページで!
HP http://www.mercury.sannet.ne.jp/occam/

「5S運動」について思うこと

ちょっと他のセミナーに参加したりしてブログの更新さぼってました。
近いうちにそのセミナーの事も書くつもりですが、まずは以前参加した「職場の安全」のセミナーでの話です。

「職場の安全」というと必ず出てくるのが「5S」運動です。
この5S運動というのは特に製造現場ではまさに「安全の指標」で、少しでも現場に絡んだことのあるひとだったら必ずや耳にした言葉であるはずで、工場など行くと必ずと言っていいほど「安全第一」に並んで「5S運動推進」といったスローガンが掲示されているのを目にします。
その「5S」とは、「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「躾(しつけ)」の頭文字の5つの「S」をとったものです。
もともとは工場などの製造現場において安全と品質向上を目的とした「整理」「整頓」「清掃」を中心に「3S運動」として行われてきたものが、その後「清潔」「躾(しつけ)」の二つが加えられて「5S運動」となったようです。
これは私の主観ではありますが、この「5S」は日本の製造業の「日本品質」の基盤になっているように思えますし、日本独特の意識のような気がします。
この「5S」はその後製造業の現場以外にも「事業所内の安全」や「業務の品質向上」を目的として拡大されて行きました。

5Sの各項目を少し簡単に説明すると以下のようになります。

1.整理 必要な物と不要な物を仕分けし、不要な物は捨てる。この「捨てる」が大事です。
2.整頓 必要なものが必要なときにすぐに取り出せるように、置き方・置き場所・表示を行う。
3.清掃 ゴミや汚れを取り除ききれいな状態を保ち、隅々まで目を通す。
4.清潔 整理・整頓・清掃を徹底し、きれいな状態を維持する。
5.躾  決められたことを、決められたとおりに実行できるよう習慣づける。

こうやって並べてみると、基本は1-3の「3S」で、それに状態を維持するための「清潔」と「躾(しつけ)」が入っているのがわかるかと思います。
実は意外と知られていないのですが、この「3S」の部分は法律にも記載されていることです。
労働安全衛生法の実施の別表とも言える法律として「労働安全衛生規則」というものがあるのですが、その第35条「雇入れ時等の教育」の中に、労働者を雇い入れたり、仕事を変えたりした場合に行わなければならない教育内容が列挙されているのですが、その第6項に 「整理、整頓及び清潔の保持に関すること。」というのがあります。
したがって、少なくとも「3S」に関しては単純なスローガンなどではなく、法律に裏付けされているということです。

この「3S」プラス「2S」ともいえる「2S」ですが、私としては「清潔」はいいとしても「躾(しつけ)」というのはいかがなものか、と考えています。
確かに「3S」を維持するためには「決められたことを、決められたとおりに実行できるよう習慣づける」というのは大切な事のように思えます。
しかし「躾」という言葉に込められた意味を考えると、本当にこの言葉でいいのかなぁという思いです。
「躾」を手元の辞書で引いてみると、
「子供などに礼儀作法を教えて身に着けさせること」
とあります。
さらに、「躾」という漢字は、
「からだを美しく飾る意の国字」
ともあります。
日本では昔から「店員の躾」とか「従業員の躾は社長の責任」とか言ったように、従業員に対して礼儀をわきまえさせるように教育することが経営者の務めであるといわれてきました。
事実先日もある有名旅館のレポートで、そこの仲居さんをはじめとする従業員の方がたの振る舞いが大変すばらしく、レポーターが思わず「躾が行き届いてますねぇ、社長の躾が素晴らしいんでしょう」などと発言していました。
確かに昔の徒弟制度や「お店(おたな)」といった制度では「躾」という言葉が自然にでてくるでしょうし、今でも創業者の方々の中には「社員をしつける」と発言する方も多いです。
しかし、私はそれにすごく違和感を覚えます、

「躾」って・・・子供じゃないし・・・

という違和感です。
親が子供をしつけるのは当然かと思います。
しかし、なんで赤の他人が、しかもいい大人に対して、いくら従業員は家族同様だと言っても、人を躾なければならないのか、という点です。
従業員は社長の子供でもなければ、家来でもないのです。それで「躾」はないだろうって言うのが私の本音です。

事実私自身もある会社にいたときに、
「ポケットに手を入れるな」
と突然叱られました。
「ポケットに手を入れてこけたらどうする。見た目にもだらしないだろう。」
私が黙ったままでいると、
「工場では常に危険が隣り合わせだ、だから危険にすぐに対処できるように両手を開けておかないといけない。だから工場の制服にはポケットがない。こういうことは会社がきちんとしつけなければいけない。」
でも、私が働いているのは工場ではありません。
「工場にそういったしつけをしているのに、事務職はしつけない、というわけにはいかんだろう。それがひいては会社の質につながるんだ」
との事。

理解はできるが、納得できない、というのが本音です。とくに「しつけ」という言葉に引っかかっています。
まぁ、色々なご意見あろうかと思いますが、私としては

「しつけ」なんて余計なお世話

です。

ただ、誤解されては困りますが、だから何も教えなくいい、と言っているわけではありません。
「教えること」は絶対に必要です。
「5S」そのものの大変重要かつ有効なものと考えています。
しかし、「教育」とか「研修」とか言うのであれば「業務に付随する」と考えられるのですが、「躾」となると「プライベートへの干渉」という感覚が出てきてしまいます。
言葉の問題だけなのかもしれませんが、「躾」という言葉を使うことで「躾ける」方が過剰な意識を持ってしまい、不要なことまで踏み込んで「躾」を行ってしまい、プライベートまで入り込んでしまっているようなケースが多々見られます。
昔の雇用関係であれば、こうしたことも全然問題なかったとは思いますが、今の時代そんなことしていては最悪人権侵害にまで発展してしまいかねません。
また、こういった「度を過ぎた」(人によって感じるレベルの差はあると思いますが)「躾」によって無用なストレスを感じてしまい、それがメンタル不調につながっているケースも実際にあります。
この場合、「躾」する方も責任感と義務感で行っているのであって、自分の発言・行動に疑問を持っていません。それが怖いところです。

言葉の持つ力は想像以上のものがあります。
その言葉を使うことで自分では思っていない気持ちの動きを起こすことがあります。
私は今の時代「躾」とい言葉は使うのは好ましくないと考えます。
どうしても「S」にこだわるのであれば、せめて、
「指導・訓練」
に替えてもらいたいと思います。

ストレスチェック制度の導入の背景

話が前後になってしまった感がありますが、ストレスチェックがどういう経緯で導入されたのでしょうか?
けっこう長文になってしまいました。
ご勘弁くださいませ。

まず制度導入の経緯を簡単に列挙すると、

1.社会環境(経済環境、労働環境)の変化と人間のストレス原因の複雑化と増加 
 ・高度成長から安定成長、そして成長の極端な鈍化 
 ・コンピューターなどのOA機器の劇的な進化による就労環境の激変 
 ・社会の変化(個人主義の強化)による人間関係の複雑化

2.ストレス増加による精神的な健康阻害が増加 
 ・うつ病の増加→うつ病による自殺の増加(自殺大国日本) 
 ・ストレスによる精神障害の労災認定の増加 
 ・厚生労働省のメンタル対策の不振

3.メンタルの健康診断としての位置づけ 
 ・メンタル不調問題に対する一般の意識の低さ 
 ・問題解決に向けての何等かのアクションの必要性

といったところではないでしょうか。
また、仕事のやり方の変化は職場内の人間関係の希薄化と複雑化も招き、個人主義や行き過ぎた成果主義がそれに輪をかけてきました。こういった変化に対して「人間の心」への対応が後手に回ってしまったのは事実です。
2に関しては、ここ10年以上にわたり年間の自殺者が3万人を超えているという現実があります。これは交通事故で亡くなる方の5倍以上になります。死亡率で見るとアメリカの2倍です。特に日本の特徴として若者の自殺者の占める割合が高いことがあげられます。
実はこれら自殺者の約60%がうつ病を患っていたと考えられており、自殺を減少させるためにも早急な「うつ病」対策が求められています。
また、職場における「うつ病」の発症の増加(心理的要因による疾病にかかる労災申請の急増)などでもわかるように、職場環境での精神不調が問題視されるようになり、厚生労働省では早くから職場のメンタルヘルスに対しての対策をとるようにしてきています。
(「事業所における労働者の心の健康づくりのための指針」等参照)
厚生労働省としては、これらの政策を機能させ、企業内にメンタルヘルスへの関心を高め、企業自身が対応を進めていくようにと考えたのですが、どうもそれらの施策が十分に機能してきたとはとても言えない状態です。
たしかに、事業主のメンタルヘルスへの意識は多少は高まりましたが、実際に社内で事例が発生しない限り「対岸の火事」であり、高いコストや手間がかかる割にその効果が見えにくいメンタルヘルス対応への資本投下は消極的にならざるを得ませんでした
(メンタルヘルスケアに取り組んでいる事業場の割合は、平成23 年の43.6%から、平成24 年には47.2%に増えているが、従業員数が50 人未満の小規模事業場においては、依然として取組が遅れている。「2013年12月厚生労働省労働政策審議会安全衛生分科会報告」より)

しかも、長期にわたる経済停滞は、業績の低迷、グローバリズム・ダイバシティの強化、ライバル(中国・韓国等)の台頭による競争の激化といった環境の変化とあいまって、雇用の不安定化、非正規雇用の増加や長時間労働といった労働環境の悪化を引き起こす要因となりました。そんな中で労働者は「無理」をし、自分の精神的な安定にまで気を回す余裕をなくしてしまっています。

こうした中、厚生労働省は自ら作成したメンタルヘルス対応のシナリオが機能しないことの一つに、事業主だけでなく労働者の関心が薄いことに注目し、身体の健康に関しては健康診断を法定化することで健康への意識高揚につなげることができたという実績から、心の健康も同様に「健康診断」を導入すれば意識がたかまるのではないかと考えました(上記3)。
そこで、労働者の精神の状態をチェックし、うつ病などのメンタル不調者の「洗い出し」を行うべく、メンタルチェックを導入することを考えました。「体の健康診断」があるのだから「心の健康診断」もあっていいじゃないか、という発想です。

もともとこの考えが表に出たのは、私の調べた限りでは、民主党政権のおりの2010年に時の厚生労働大臣であった長妻氏が発した方針がきっかけではないかと思います。
長妻大臣は、「ケガだけでなくうつ病などの精神的な病気で労災に認定される人が増えており、行政として新たな対策を強化していく必要がある。企業が健康診断を行う際に、うつ病にかかってないかチェックができないか考えており、必要であれば法律の改正も検討していきたい。」と発言し、企業が行う健康診断にうつ病などのメンタルチェックを合わせて行う事を方針としてあげました。
しかし、この案はなかなか実現しませんでした。
まぁ、理由はいくつかあるのですが、関係団体との調整の困難さ、とか政権交代とかいろいろあって、なかなかこの案は日の目を見ませんでした。
それが紆余曲折あって、ようやく2014年になって「ストレスチェック制度の義務化」という形で実現しました(2015年12月施行)。
長い道のりでした。

この「ストレスチェック」(正式には「医師、保健師その他の厚生労働省令で定める者による心理的な負担の程度を 把握するための検査」です)がどれだけメンタルヘルス改善に効果を及ぼすかはまだまだ未知数です。しかし、こうしてメンタルの状態を「測る」指針が公式のものとして出されたことは評価できると思います。

ちなみに余談ですが、
平成23年12月に「労働安全衛生法の一部を改正する法律案」が臨時国会に提出されましたが(廃案)、この時まではこの心理検査を、

「精神的健康の状態を把握するための検査」
と呼んでおり、一般的には
「メンタルチェック」

と呼ばれていました、それが今回の改正では、

「心理的な負担の程度を 把握するための検査」=「ストレスチェック」
と変化しています。

「心理状態」ではなく「心理的負担」
を測るようになった、という点に実はふかーーい意味があるのですが、それはまた別の機会に。

ストレスチェックの意味

先の記事でストレスチェックの意味について中途半端な内容になってしまいましたので、もう少し補足します。

ストレスチェックは3つの予防のうちの第一次予防とされます。
ストレスチェックは高ストレスにさらされている労働者を洗い出し、その高ストレスへの対応を早期に行うことでストレス不調の発現を防ぎ、企業も労働者も大きな損失を被らないようにするもの、というのが目的であり、高ストレス者を洗い出し、排除するためものものではありません。
あくまでも本人のストレスの状況を「知ること」とそれに対しての「措置をとること」が目的です。その結果、メンタル不調が減少し労働効率もあがることで労働者も会社も利益を得ることを目指すものです。
ちなみに、メンタルヘルス3つの予防とは以下の3つを指します。

1.一次予防メンタルヘルス不調の発生を未然に防ぐための取り組み →発症前予防
2.二次予防不調を早期に発見し、迅速に適切な対応を取るための取り組み →早期発見早期治療
3.三次予防現在の病状を適切に把握・管理し、病気の重症化を防ぐための取り組み →“病気の発症後の取り組み”が中心(復職・再発防止)

ストレスチェックはこの1の一次予防になるとされていて早期発見早期治療を目指すものです。その実施の意味を改めてまとめてみると、概ね以下のようになります。

1.労働者個々のストレスの状況をチェックすることで、高ストレスを受けている労働者自身のストレスの状態を本人に気づいてもらい、自ら対応できるように意識付けする。
2.労働者自身が自分のストレス状況を把握することで、自分の労働環境の改善を会社に求めるためのきっかけとする
3.職場単位でのストレスの状況を会社が把握することで、会社全体のストレスコントロールを行えるようにする。それにより全体のストレスを下げ、メンタル不調の発症を軽減することができる(会社の義務)

これらのように、ストレスチェックは労働者が抱えているストレスを確認するものであって、労働者個人の疲労度の計測やメンタル不調者やハイリスク者の洗い出しが主たる目的ではありません。
メンタル不調はかかってしまった労働者自身も不幸ですが、その家族、同僚といった周りの人々も不幸にします。そして、それの原因となった労働環境を作った会社の責任も強く問われる時代です。
メンタル不調はすべてを不幸にしてしまいます。
労働者が抱えるストレスを確認することで、労働者がメンタル不調のリスクにさらされているかどうかを確認し、早期にそのストレス要因を軽減する措置をとることで、労働者が働きやすい環境を構築し、作業効率を上げることで労働者のみならず、企業にとってもいい影響を及ぼすことを意図します。
こういう点を理解したうえでストレスチェックを行うことが重要です。


個人的にですが、
私はストレスチェックは国が実施すべきではないかと考えています。

ストレスチェックとメンタルヘルス

2014年、労働安全衛生法が改正され、2015年12月より「常時50名以上」が就業する事業所では年に1回以上「ストレスチェック」の実施が義務付けられました。
この「ストレスチェック」のポイントとしては、
1.1年に1回以上の実施。
2.対象は当面は常時就業50名以上の事業所では必須。それ以外は努力義務。(ただし、厚生労働省は実施を推奨)。
3.「50名以上」とは、勤務時間や日数の縛りなく、継続して雇用し、使用している労働者をカウント(派遣社員や短期パートも含む)。
4.派遣社員に関しては、派遣元と派遣先の両方で実施することが望ましい。
5.ストレスチェック対象者は一般定期健康診断の対象者と同様、正社員の3/4時間以下のパート社員や休職している労働者は対象外であってもかまわない。
6.ストレスチェックの実施結果は本人の同意がない限り本人にのみ通知され、それ以外の者は知ることができない。
7.ストレスチェックを受ける受けないは個人の自由だが、事業主は受検を促進するために適正な措置をとること。
8.ストレスチェックにて高ストレスと判定された労働者が医師との面談を希望した場合は面談を設定しなければならない。
9.面接指導の結果に基づき、医師の意見を聴き、必要に応じ就業上の措置を講じなければならない。
10.ストレスチェック結果の集団毎の集計・分析及びその結果を踏まえた必要な措置は努力義務であるが、実施すること が望ましい。
11.事業主はストエスチェックの実施に当たり、その趣旨や実施方法などを労働者に周知し、実施の体制を構築しなければならない

といったところでしょうか。
このあたりのことは他の参考書籍や厚生労働省のホームページを読めばかなり詳しく書いてあります。
私がおととしこのストレスチェックをネタに安全配慮義務のコンサルティングを行っていた時よりはかなり内容も詳細になっていますし、逆に考慮すべき点もふえているように思えます。また、厚生労働省がこのストレスチェックにかなり力というか、気持ちを入れてきているように感じます。
ま、このあたりは別記事で書きます。

ところで、最近気が付いたのですが、「ストレスチェック」を「メンタルチェック」と誤解している人が多い!
ここのところ要チェックです。
「ストレスチェック」はストレスを受けているかどうかをチェックするもので、「メンタルチェック」ではありません。
メンタル不調を起こす人は高ストレスを受けているケースが多いため、ストレスを受けているか、受けているならどれくらいか、をチェックすればメンタル不調になる可能性をチェックできるのではないか、という発想からでてきているものです。
ですから、高ストレスと判定されても、即メンタル不調というのではなく、

自身がどれだけストレスを受けているかを自覚することで、自分自身で早期のケアを行えるようにする。
また、
ストレスを具体的なチェック結果で見せることで事業主に労働環境を改善させるためのきっかけとなる。


よって、メンタル不調を未然に、もしくは早期に発見でき、大きなリスクを回避できる、ということを目的としているということです。
これは労働者だけではなく、事業主にとっても大きなメリットです。
高ストレス=病気 といった極端な考えをもつことはまずいですし、適正に受検する・できるような体制づくりが事業主の責任です。
事業主もこれまでは、裏に隠れてあまり表に出てくることがなかった故に知らんぷりとか見て見ぬふりとかしてこれた、もしくは本当に気が付かなったという状況であったかと思います。
しかし、このストレスチェックが本当に厚労省のいうような趣旨に沿って運営されていけばそれもできなくなります。
事業主の責任はますます大きくなり、メンタル不調リスクから逃れることはできなくなります。
この際コストや手間といった面倒な面にだけ目を向けるのではなく、労働環境を改善して労働効率をアップさせるという面にも目を向けてもらいたいと思います。
プロフィール

気まぐれ社労士 

Author:気まぐれ社労士 
企業では安全配慮義務や労務管理、人事制度・諸規定など課題はたくさんありますが、今の企業では「疲れ」への対策がすごく重要です。少しでも人事関連で疑問やお困りのことがあればご連絡ください。きっと解決策が見つかります!





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