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電通、労働時間の上限引き下げへ社長が文書で通達

電通の社長が10月17日に石井直社長が社員に一斉メッセージを送ったそうです。
今回の新入社員の高橋さんの過労自殺が労災認定され、本店や支店が一斉に労基の臨検を受けたことなどうぃ受けての対応のようです。
まぁ、詳細に関しては記事に譲りますのでそちらを読んでください。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161017-00010002-bfj-soci&p=1

これを読んでの感想です。

わかってないなぁ

こんなお手盛りの対応で解決するとは思えないんですね。
所定外労働時間を月5時間減らしたって何がかわるんでしょう?
減らす前の上限時間ですら守られていなかったのにそれを少し変えても何が起こるんでしょう?
22時強制消灯ですか・・・みんな家で仕事しますよ・・・
劇的な就労環境だなんて・・経営者ってみんな同じだなって感じですね。

特別条項完全削除、いや、36協定そのものを排除とか、20時以降パソコンの強制シャットダウンとか、ログインできなくするとか・・
それくらいやらないとインパクトでないと思いますけどねぇ・・


今回の事件が起こったのはそんな「規則」の問題ではないはずで、人を追いつめていく「社風」にあったはずです。
そちらにはほとんど手をつけていません。
まぁ、事件そのものが社内に及ぼしている影響もあるので当面は就労環境も改善するだろうとは思います。
しかし、以前の事件でもしうでしたが、結局どこかで「のど元すぎて」しまうわけで、いずれは元の木阿弥になってしまうおそれは多分にあります。
そうならないためにも「社風」からの改革が必要なのではないでしょうか。
それと、こういっては失礼かとは思いますが、石井社長の言う「働き方」という部分でもあまり本気で就労環境を「劇的に」変えてやろうという意欲が感じられません。

結局は「会社のためにみんなで頑張ろう」てな文で終わってます。
電通の改革はまだまだ道のり遠いなぁ、と感じました。

それと、原文を読んでいないので何とも言えないのですが・・

亡くなった高橋さんへの追悼や謝罪の言葉はなかったのでしょうか?

もし、ないのであれば、ちょっと寂しいです。
人を大切にして会社を盛り立てていってほしいものです。
お願いします。
みんなで「幸せ」になりましょう


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御社の「人」のお悩み解決します。
人事制度・労使問題・メンタルヘルス・安全衛生対応
社会保険労務士事務所 岡本労務管理事務所

特定社会保険労務士・産業カウンセラー・RSTトレーナー・心理相談員
岡本 寛明

詳しくは下記ホームページで!
HP http://www.mercury.sannet.ne.jp/occam/

100時間程度で死ぬのが情けない?

つい最近、武蔵野大学の長谷川教授が「電通の女性新入社員自殺で労災認定 残業月105時間」の記事を受けて、「残業100時間を超えたくらいで過労死するのは情けない」などとインターネット上に投稿していたという記事が流れました。
結果として本人が「言い訳」して謝罪しましたが、大学側も謝罪して教授の処分を検討するということになりました。
長谷川教授は東芝で財務畑を歩いてきて、このころにかなりきつい就労環境を生き抜いてきた、という自負があるからこそ、こんな発言が出たものと思われます。

情けないですねぇ・・・C= (-。- ) フゥー

自分が100時間以上の残業が当たり前だったからと言ってこんな風に思うなんて・・・しかも堂々とそれを公表するなんて・・・

確かに時間だけ見れば長谷川教授の方が多かったのかもしれません、仕事量も多く、今と違って手作業も多かったでしょう。経理という数字を扱う部署でミスが許されないというプレッシャーもあったかもしれません。
でも当時の仕事と今の仕事の中味は大きく変わってきていてストレスの質も変わってきています。過去と今を同じレベルで判断するべきではありません。
そのうえ今回の電通の事件の「被害者」はまだ入社して1年たっていません。まだまだ会社というものも社会というものも十分わかっていない「未熟な」状態です。それにも関わらず即戦力として期待されて過剰な仕事と責任を負わされた結果起こってしまった悲劇です。
長谷川教授が実際にどのような労働環境を過ごされてきたのかはわかりませんが、長谷川教授の発言はあまりにお粗末で配慮に欠けた発言として非難されても仕方ないと考えます。
あなたの身近な人が同じ目にあっても、あなたは「情けない」とつぶやけますか?
と言いたいところです。

しかし、今回の長谷川教授の発言は論外であることは間違いありませんが、私がそれ以外にも「怖いな」と感じたのはこの発言にひそかに賛同する人がいるということです。
もちろんそういった人はそんなことは口にはしません、でも、言葉の端々になんとなく「少しは賛同できる」という思いを感じる人がいます(もしかしたら本人も気が付いていないかもしれませんが)。そういう人たちは長谷川教授と同様に厳しい労働環境を生き抜いて来たという自負と、アドラー流にいうのであれば、それによる優越感を抱いているのかもしれません。
ちなみに私も昔「電算課」だったころは残業100時間超えなんて当たり前、徹夜・休日出勤当たり前、有給とるのは罪悪、というかなりきつい環境でした。ですから、私もよく若い人たちに「自分の若いころは100時間・・・」なんて語っています。でも、もしかしたらこれも自分の心のどこかに「優越感抱きたい」という欲求があるのかもしれません。
アドラー心理学から見るなら、
自分が乗り越えられた「苦労」を他人が乗り越えられない時、そこに「優越感」を感じて「できない」ということを批判する。そして、他者と自分の差を強調し、それによって共同体の中で特別なポジションに立とうとする。
そんなライフスタイルを私も持っているのかもしれません。
自分が少し怖くなってしまいます。

とにかく人が「死ぬまで働く」「死ぬしか逃げる道がない」などというのは絶対におかしいです。
「死ぬくらいなら辞めればいいのに」とか「命と仕事のどちらが大切か考えたらわかるだろう」などという人がたまにおられます。
しかし、私にも経験がありますが、追いつめられてしまった人間には正常な判断ができません
本来ならばいくつも選択肢があるはずなのに、その選択肢が「見えない」のです。そして、「死」というワードにたどり着いてしまったらそれから逃れるのはとんでもなく難しいです。
だからこそ、そうなる前に、理性的な判断ができなくなる前に、何とかしなくてはいけません。
本来ならば周りが「気づく」ことができるはずです。しかし、今回の「被害者」はそれができませんでした。
なぜなら・・周りも異常だからです。
こういった環境を作る土壌を作ったのは会社であり、その「社風」です。
「見守り」の風土がこの会社にあればこういった事件は起こらなかった、と断言できます。
そう意味で会社の「安全配慮義務」はまったく果たされていなかったということです。

奇しくも昨日(2016/10/14)労働基準監督署の電通本社・支社への一斉臨検が行われたという記事が新聞に大きく報道されています。
過去の経験を全く生かすことなく、同じ過ちを繰り返した電通の責任はとんでもなく重いといっていいでしょう
過去の事件の後しばらくは会社も積極的に動いていたのでしょうが、まさに「のど元過ぎれば熱さ忘れる」で、そういった動きは形骸化していき、成果最優先の方向性のなかで「利益を生まない無駄な作業」に貶められていったのでしょう。

「安全配慮義務」をしっかり守り、人を大切にすることが本当に会社の利益につながるということを会社は認識していってほしいと考えます。



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柔道整復師カルテなど提出義務化 不正請求防止へ

10月9日に毎日新聞の記事で出ていました。

 厚生労働省は、柔道整復師(柔整師)の施術に公的医療保険を適用する療養費制度について、不正請求対策を強化する方針を固めた。不正の疑われるケースは接骨院などにカルテなど関連資料の提出を義務付ける。柔整師の急増に伴う接骨院の過当競争で療養費の不正請求が横行しており、厚労省は近く都道府県など関係機関に通知。来年度から開始する。
 -以下略ー

この記事読んで、健康保険組合の元事務長である私としては、、

「やっとかよ」


というのが本音です。

この柔整の問題はかなり前、というか柔整が保険適用になってからずっと言われてきていることで、ある人に言わせれば、
「じゃじゃ漏れの壊れた蛇口」
なんだそうです。
事実、私が事務長をしていた間にも「これはおかしいんじゃないの?」というレセプトがかなり回ってきました。
例えば何年も前の交通事故の後遺症で毎週施療に通っている、という人がいました。ところがその施療院があるのが、とあるスポーツジムの中で、施療というよりは単なるマッサージが主の施療院でした。これはどう考えても怪しいでしょう。ジムで運動した後その施療院でマッサージを受けるって流れなのは見え見えです。
しかし、本人に尋ねても、施療院に確認をとっても「間違なく施療です」と主張されてしまえば健保組合としてはそれ以上追求することはできません。怪しいと思いつつもレセプトの通り支払うしかありません。
(当然怪しいと思えば拒否できるのですが、あとはややこしくなるケースが多いので職員はついつい引いてしまいます)
もちろん、骨折やむち打ちなどの後遺症対応など本当の「施療」が大部分ではあるのですが、こういった「怪しい」案件もけっこうな割合で存在したのも事実です。
それに本人には悪意がなくても「健保カード提示で1000円で全身マッサージが受けれますよ」などと勧誘されたら、「1000円だったら安いじゃん」とか言って気軽に受けてしまう場合もあります。本当は3000円程度しているはずなんですけど、差額は健保組合などが支払っているわけです。

それでも以前はそういった「怪しい」請求は全体の医療費に比べたら微々たるもので、問題ではあるけれどもそこまで手が回らない、というのが実情でした。
それでも私が事務長になったころは多少は問題視されてきていてレセプトの内容が怪しかったら請求先に確認をとるなどの対応をしなさい、不正であると判断したら支払い拒否しなさい、という指導が出ていました。ただ「怪しい」かどうかを全件チェックするのは大変ですし、その確認をとるのも大変です。それに人手もないこともありチェックが十分でなくなかなか対応しきれていない状態でした。
そのため、そういった柔整のレセプトの内容をチェックし、怪しいものに関しては施療院に確認して、場合によっては支払いを止める、といったことを一括して代行してくれる業者も存在しています。
私がいた健保でもそういった業者に依頼することで毎月50万円近くの請求を拒否することができていました(ちなみに当時医療費は月3千万円近く発生していました。今はもっと双方増えているでしょう)。
柔整のレセプトは1件あたり多くても2万円くらいで、多くが1万円以下です。10万円を超えるレセプトはそれほど多くありません。そのためどうしても少額レセプトのチェックは甘くなります。悪意ある柔整はここをついてきます。聞くところによると、こういった請求だけで成り立っている施療院もあるとのことです。
考えてみれば健保カードの記号番号と氏名さえわかれば「適当」に診療請求を作ってしまえるわけです。請求金額が1万円以下であればチェックも甘くなりますし、支払い拒否されたらあきらめればいいだけです。
本人には一応医医療費知が届きますが3か月も4か月も前のことですし、ほとんどの人が内容などチェックしていません。
そのためある意味簡単に「架空請求」や「水増し請求」ができてしまいます。「壊れた蛇口」というのもあながち言い過ぎではないように思えます。

健保組合の集まりでも「困った柔整がたくさんいる。それに乗っかってる悪意の組合員もいる。」というのが共通の認識でした。
中には「柔整は保険診療から外すべきだ」と主張する人も少なからずいました。
しかし、健保組合は「組合員の健康に資する」のが使命なわけで、一部の「悪意ある柔整」のために本当に必要な給付まで止めてしまうわけにはいきません。ここに健保組合のジレンマがありました。
(本当は一般の医療診療報酬でも不正請求は問題なのですが・・)

これまでは全体の金額も小さかったため厚生労働省も問題意識はあったもののほかに対応しなければいけないことがやたら多く、なかなか手が回らなかったのかと思います。しかし、ここ何年かで柔整の施療院が増加してきて、それに合わせて請求額も増加してきました。
厚生労働省も薬価や診療報酬の引き下げばかりやっている場合でないとようやく気づいたのでしょう。

今更ながらの感がありますが、不正を何とかなくそうという動きが「お役所」から出てきたことは大いに評価すべきかと思います。
皆さんも「健保カード提示で1000円」なんて勧誘にひっかからないようにしてくださいませ。これって詐欺の共犯になってしまいますので。


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過労死を考える本

前回の記事の追加

前回の記事で熊沢氏の「働きすぎに斃れて――過労死・過労自殺の語る労働史」に触れました。
どんな本なんだ、と問い合わせを受けました。
この「働きすぎに斃れて――過労死・過労自殺の語る労働史」はタイトルの通り、50人をこえる人々が過労死や過労自殺に至るまでの経緯と、その後の裁判などの詳細な記録です。
「産業社会の構造的なひずみ」が個人をいかに追いつめ死へと至らせるかが赤裸々に描かれています。
本人はもちろん、その家族までを不幸にしてしまう「過労死・過労自殺」。
「死ぬまで働け」とまで言い切る企業もある中、会社と個人のあるべき姿を考えさせられる、そういった実に内容の濃い本です。

もう一冊紹介したい本があります。
それは中澤・皆川両氏による「検証 ワタミ過労自殺」です。
2008年にワタミに入社した森美菜さんという26歳の女性がその年の6月12日未明に自殺しました。
入社してほんのわずかの間に彼女に何があったのか?
社会人としての新しい生活に夢や希望をいっぱい抱いての門出であったはずなのに・・
わずか3か月でその思いは踏みにじられ、「助けて!」という悲痛な叫びを残して彼女は自殺してしまいました。
この本は森美菜さんのご両親の悲壮なまでの戦いの記録です。
この本を「ワタミ」の経営層や管理職たちは読んでいるのでしょうか?
判決後のワタミを見る限り、たぶん、読んでないんでしょうねぇ・・

karoushi.jpg

これらの本を企業経営者は絶対に読むべきです。
マッキンゼーの本など読んでいる時間があるならば、せめてこういった本を1冊でも読むべきです。時間がないなんて言い訳です。

人を大切にしない会社が成長するなど絶対にありえません。
ここでは「過労死・過労自殺」の話をしていますが、死に至らないまでも仕事で心身を壊して人生を大きく狂わされた多くの人々がいます。そして、その人たちには家族もいます。
みんなが不幸になってしまっています。
目先の利益に惑わされて、本当に大切なものは何か、を見失っている企業があまりにも多すぎます。
ぜひ、これらの本を読んで「人の大切さ」を思い出してください。










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平成28年版過労死等防止対策白書が公開されました

政府は10月7日、世界でも例のないという「過労死等防止対策白書」を初めて閣議決定し、厚生労働省のホームページ公開されました。
これは2014年6月に成立した「過労死等防止対策推進法」が根拠法として作成されたものですが、初回ということもあるのか、けっこうお金もかけていて力の入れようがうかがえます。
日本のお役所っていうのはこういうのを作らせると本当に得意だなぁ、って思います。
でも、分かりにくさもぴか一ですけど・・・

さっそくダウンロードして読んでみたのですが、参考資料まで合わせると270ページにもなってかなりの量です。
読み通すのはなかなか大変です。最初はちょっと引いてしまいました。
でも、グラフがかなりの割合を占めているので文章は思ったよりも少ない(グラフや表は眺めて読み飛ばす!)2時間ほどで読み通しました。
ちょっと疲れました
(^-^;

しかし、読んでみて思ったのは・・・

・所定内労働時間は2000時間と高止まりなんだなぁ
・有給取得率はいまだ5割を切ってるんだなぁ
・ストレスを感じている労働者の割合は減ってきてはいるけどまだ5割を超えてるんだなぁ
・パワハラ、いじめはずっと増え続けてるんだなぁ
・メンタルヘルス対策をとっている企業の割合が60.7%(前年47.2%)ってのは本当かなぁ・・ストレスチェック効果かなぁ
・自殺者が2万4千人。ついこの間まで3万人超えてたのに比べると改善はしたけど、それでもこれだけ亡くなってるんだなぁ
・過労死対策もいっぱいやってるけど、あんまり知らないことばかりだなぁ

などなど・・・

そして全般を通じて、
過労死という問題を政府がこういう形で社会に知らしめることはすごくいいことだと思います。
お金と手間をかけて過労死関連の「状況」を明確にすることで、行政や会社がどういう対策を打っていけばいいのかが見えてくるように思えます。

しかし、

やはりお役所のお仕事ですね。数字や統計を扱うのはすごくうまいのですが、読んでいてまったく「心」を感じません。
まぁ「報告」ですから、「心」なんて不要、とも言えますが、この「報告」で一体何を訴えたいのかがあまり伝わってきません。
編集してまとめている人の「思い」がどうも伝わってこないんですね。

過労死というのは当たり前ですが、「人の死」です。本人の仕事半ばで斃れた無念もあるでしょうし、家族の悲しみや苦しみ、憤りも単に数字やグラフでは表されません。
そういった人の思いがこの「報告書」からは伝わってこないんですね・・・

少し前の本になりますが(おそらく絶版かなぁ)、熊沢 誠という経済学者が書いた、
「働きすぎに斃れて――過労死・過労自殺の語る労働史」
という本があります。
この本には過労死=「死に至るまで働く人々の実態」が詳しく書かれています。
作者の怒りや憤り、くやしさも伝わってきて非常にいい本です。
(興味ある方はブックオフや古本店を回ってみてください。たまーに書棚に見かけます)
この本を読んでから、この報告書を読むと、
「なんだか上っ面だけの薄っぺらな・・・」
とつい思ってしまいます。

でも、そうは言っても政府がこういう報告書を出すという事自体、社会が動いていく可能性を秘めているのは間違いありません。
こういった報告もだしっぱなしではなく、今後の展開に期待したいものです。


平成28年版過労死等防止対策白書のダウンロードはこちらからそうぞ
http://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/karoushi/16/index.html

概略版もあるので、時間がない!という方は概略版でも十分かと思います。
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000138529.html


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目標設定に関しての上司の役割

先日、とある場所で「目標設定に関して」というミニ講習を行いました。
1時間もない時間でしたが、管理職研修を意識した内容でまとめて話しました。
そこそこ評判も良かったのでちょっとかいつまんでその内容を書きます。

「目標設定」というのは「すごく重要なもの」であるけれども「すごく難しいもの」でもあります。
では、なぜ「すごく難しい」のか。という話です。
本来、会社における「目標設定」というものは、
「自分が」「自分で」「自分の能力」に応じて「チャレンジング」な目標設定を行う、というのが理想です。
しかし、これはなかなか実現できていません。私もこれまで、これができている例を聞いたことも見たこともありません。
会社でたてる目標というのは、

1.会社の目標にカスケードされていなければならない
2.「チャレンジング」でなければばらない


という要件が必要になります。

1は会社で仕事をするわけですから、会社の目標にベクトルの方向があっているというのは当たり前の話で、「自分のため」だけの目標というのは本来あり得ません。
ただ、最近は「本人の成長」とか何とかうたって会社目標に直接関係のない目標設定も一部認めるという制度もあるようですが、これもその裏には「成長して会社のためになってくれ」という期待が隠れています。
もちろん「会社目標」と「個人目標」の間には「事業部目標」「部目標」「課目標」といった各層の目標が挟まりますが、それらがすべてカスケードされて最終的には「会社目標」につながる必要があります。
しかし、会社目標をはじめとする各層の目標設定に不備があると、その下の層の目標設定ができなくなってしまいます。
個人が「目標を立てづらい」「自分の目標が会社目標とどうリンクするのかわからない」といった声をよく聞きますが、それはここに原因があります。

2は「チャレンジング」という言葉の意味が上司部下ともによく理解されていない、ということがあげられます。
人間というのはそもそも怠惰な部分があるため、なるべく難しい課題を避けようとします。そのため「大した努力をしなくても達成でいる目標」を立てがちです。
「大した努力」もなく「適当に」やればできる事など目標でも何でもありません。そんなことは「できて当たり前」のことがらであって、役割責任でしかありません。
しかし、こんないい加減な目標を部下がたてても、上司は部下に嫌われたくないとか、いらぬ面倒をおこしたくないとかいった理由からそういった「目標」を容認しがちです。
部下の目標達成度が自分の評価にもつながってくるということもこういった状況を後押ししがちです。
しかし、目標設定が評価とつながって昇給・昇格・異動といった処遇や部下の成長というものに連動していることを考えると、こんないい加減なことで会社も個人もが発展するわけがありません。

「チャレンジング」を考えるにあたっては、上司が部下一人ひとりの能力をしっかり把握している必要があります。そのうえで部下の目標設定のガイドラインのようなものを提示して、部下が適切な「チャレンジング」な目標を設定するサポートしなければなりません。
そして、部下とお互い納得がいくまで以下の点について話し合って共通認識を固めておかないといけません。

1.上司が把握する部下の「能力」レベル(個人が認識するレベルとのズレとその補正)
2.「頑張ればできる」ことの難易度
3.上司が部下に抱く「期待」とその実現性
4.目標達成において何が「起こる」か(業績向上、部下の成長など)


こういったことを認識するのはかなり労力が必要です。しかし、ここは労力を惜しむ場所ではありません。
上司というものの責任であり役割です。
ここをおざなりにするような上司は上司の資格はありません。

それと目標設定において上司の役割でほかにも重要なことがあります。
それは、

1.設定された部下の目標達成のためのサポート
2.環境の変化に応じた目標の修正


そして、

3.常に部下のことを見守っていて、ことあればフォローするぞ、と部下に伝える

(もちろん言うだけ番長ではいけませんが・・)
です。

ま、こんな内容です。
上司たるもの、大変だなぁって改めて感じます。
これだと管理職になりたがらないというのもわかる気がしますね


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災害と企業の安全配慮義務と危険予測

昨日兵庫社労士会研修に行ってきました。
お題は阪神淡路大震災で社労士がどう動いたか、行政はどう動いたか、といった体験談から社労士として災害時にどのようなことができるか、といった内容です。
後半は労基、ハローワーク、年金機構それぞれから震災体験者の方に来ていただいて震災時の対応に関してのパネルディスカッションを行いました。
どちらも非常に興味深い内容でした。

今回この講習に参加して、社労士として災害時に自分が何をなすべきか。何ができるかを日ごろ考えておくことの大事さを考えさせられました。

で、この講習で講師の先生が最後に触れたのが「企業の安全配慮義務」です。
これはまさに私が東北沖地震の時に考えていたことでした。

企業の安全配慮義務というのは、企業が労働災害を発生させないように事前の予防措置を講じて従業員を労働災害から保護する義務をいいます。
企業は従業員に対する安全配慮義務を負っていて、 企業が安全配慮義務を怠ったせいで労働災害が発生した場合は、企業は従業員に対して損害を賠償しなければいけません。
労働契約法第5条では
「使用者は、労働契約に伴い、労働者がその生命、身体等の安全を確保しつつ労働することができるよう、必要な配慮をする」
と定められており、 民法第415条によって、
労働契約上の債務者である企業は、債権者である従業員に対して、事業遂行のために設置すべき場所、施設もしくは設備などの施設管理または労務の管理にあたって従業員の生命および健康などを危険から保護するよう配慮する義務(安全配慮義務)を負っています。
そのため、義務を履行せずに従業員が負傷または疾病をり患した場合は損害賠償責任を負います。

しかし、ここで問題になるのが、

「どこまでやったら企業は安全配慮義務を果たしたことになるのか?」

という疑問です。

厚生労働省労働基準局長「労働契約法の施行について」(基発第0123004号、平成20年1月23日)によると、
労働契約法第5条の「必要な配慮」 とは、一律に定まるものではなく、労働者の職種、労務内容、労働提供場所等の具体的な状況に応じて、必要な配慮をすることが求められている。
とされています。
言うなれば、ケースバイケースということです。
しかし、これでは実際に災害が発生しなければ最終判断がつかないという非常に座りの悪い状態になってしまいます。

特に今回問題としているのが「自然災害」です。
単純に考えれば自然に起こる災害なのですから、いくら就労時間内に発生したとしても災害そのものに対しては事業主にその責任があるとは考えられません。
しかし、起こるかもしれない災害を予測して、それに対する事前対処をしたうえで、災害から労働環境を守る、という姿勢は必要になります。
災害に備えて危険予測をしたうえで避難訓練や規則を作る、ヘルメットやライト、浸水時のための土嚢を用意するなどといった基礎的なことからさらに高度なものまでいろいろな対策が考えられます。
この「危険予測」をどこまで行うか、というのは非常に難しい問題です。
それに対策をすればするほどコストもかかりますし、そのコストに見合う効果があるかといえば、それも疑問です。
ましてやいつ来るかもわからない大地震に関しては、それこそ地震予知連がいうように、「予測できないことがわかった」という代物です。
こんな誰にも予測できない大地震にまで企業は危険予測をしておかなければいけないのでしょうか?

答えは
「予測不能な大地震であっても危険予測して対処しておかなければならない」
です。

阪神淡路大震災のころでしたらまだ地震対策まで企業には求めていなかったかもしれません。何十年、何百年に一度あるかないかの災害まで予測して対処することまで企業に負わせるのは酷な話ですし、耐震性には建築基準法というようにほかの法律で対処できていたからです。
しかし、この数年、日本は地震や台風、大雨などの大型災害に遭遇しています。
災害というものが決して「忘れたころにやってくる」ものではなく、「日常」になりつつあります。
そうした環境の変化は企業の「危険予測」とその対応にも大きな影響を及ぼしています。

大災害があることを前提とした「危険予測」、そしてその予測に基づいた対策をしっかり打っておかなければ企業の「安全配慮義務」は果たせないという、企業にとっては厳しい時代に入ったといえるのではないでしょうか。

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プロフィール

気まぐれ社労士 

Author:気まぐれ社労士 
企業では安全配慮義務や労務管理、人事制度・諸規定など課題はたくさんありますが、今の企業では「疲れ」への対策がすごく重要です。少しでも人事関連で疑問やお困りのことがあればご連絡ください。きっと解決策が見つかります!





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