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10月は年次有給休暇取得促進期間だそうです

あまり知られていないのではないかと思いますが、厚生労働省では、来年度の年次有給休暇の計画的付与について多くの企業で労使間協議を始める前の時期である10月を「年次有給休暇取得促進期間」として周知活動を行っています。
有給休暇の計画的付与とは本来はそのすべてを個人の自由取得にゆだねるべきであるところを、年次有給休暇のうち5日を超える部分においてのみ労使協定を結ぶことで事前に取得計画を作成できる、というものです(全社員一斉付与の形態にする必要はありません)。
その労使の話し合いが大体年末くらいに行われることから、その協議前に有給休暇の取得を促進しようということでこの10月が「年次有給休暇取得促進期間」に充てられています。

有給休暇は労働者の権利ではあるのですが、なかなか諸事情からその消化がすすでいません。
確かに一昔前のことを思えばかなり消化されるようになったかとは思いますが、政府が思ったほど進んでいないのが実態です。
思えば30数年ほど昔、スクーバダイビングに燃えていたころ、有給をとって潜りに行こうと思って上司におそるおそる「お願い」したところ・・
「お前は何様だと思ってるんだ。有給ってのは必死で働いて倒れた人が使うもんだ。休みたいってのは倒れてから言え。まずそこまで働いてみろ。」
なんてことを言われてすごすごと引き下がったのを覚えています。
すべての会社がそうではなかったとは思いますが、当時は有給休暇は労働者の権利ではなく、会社から「下賜(くだしたまわ)る」休暇といったイメージがあり、私傷病で休んだ時に欠勤にならないための救済措置のようなイメージでもありました
それがだんだんと意識改革が進んで、ようやく最近になって労働者の権利であるという認識が強まってきたように思えます。
とはいえ、認識が高まったからと言って有給の促進が進んだのかというと、これがなかなかそうはいきません。
なかなか労働者個人に任せておいては「諸事情」から取得がすすまないからこそ、半ば「強制的」な策として「計画的付与」が強化されてきたという実態があります。
日本人は働きすぎだから祝祭日を増やして強制的にやすませよう、というのと同じ論理です。

ある学者によると日本人は自分で自分の仕事のペースを決めるのがとても苦手で、言われたことは何としてでもやるが、自分で考えて仕事の組み立てができない「社会的子供」のようなものだそうです。
有給休暇の計画的付与にしろ、国民の休日の増加にしろ、国が強制的な手を下さないと結局自分(労働者と事業者ともに)から進んで休もうと(休ませようと)しない、その一方で、上が決めたことには頑張って従うという姿勢も強い、そんな未熟な社会であるということです。

実際に自分のペースで仕事をする人、ワークライフバランスをちゃんと考えて仕事する人が増えてきているのも間違いのないところではありますが、まだまだこういった「未熟な」社会であるのが日本なのだと私は考えます。
昨今「働き方改革」の動きが急で、多様な働き方が推し進められています。そして実際に社会が大きな関心をもって動いているようにも見えます。
ただ、この「働き方改革」もお国が推し進めて初めて社会に広まってきているように思えます。
ワークライフバランスなんて言葉はも20年近く前から起こってきており、一部の企業ではそれを実践するためにコンサルタントを入れたりして実践しようと努めてきています(もっとも、商慣習や取引慣行などの多種多様な「壁」があって十分には進んできていませんが)。
それがここ数年急に広まりを見せてきたのはやはりお国の動きが大きいと思います。
やはり、日本という国は労働者レベルでの動きよりも国レベルの動きでないと社会は変わっていかないということなのでしょう。
それだけに今後の行政の動きには期待し、監視していく必要があると思います。

なお、この度同じくして、年次有給休暇等を取得しやすい環境整備に向けての「労働時間等見直しガイドライン」の改正も公表されています。
ポイントは以下の3つです

1.地域の実情に応じ、労働者が子どもの学校休業日や地域のイベント等に合わせて年次有給休暇を取得できるよう配慮すること。

2.公民権の行使又は公の職務の執行をする労働者について、公民としての権利を行使し、又は公の職務を執行する労働者のための休暇制度等を設けることについて検討すること。

3.仕事と生活の調和や、労働者が転職により不利にならないようにする観点から、雇入れ後初めて年次有給休暇を付与するまでの継続勤務期間を短縮すること、年次有給休暇の最大付与日数に達するまでの継続勤務期間を短縮すること等について、事業場の実情を踏まえ検討すること。


私としては3が特に重要なのかな、と思っています。
入社して6か月間は有給休暇がない、という企業はけっこう多いと思います。法律がそこまでしか規定してないので問題ないとするからです。
でも、その6ヶ月間は病欠したりすると欠勤になるわけで、給与に直接影響してしまいますし、そのため調子が悪くても無理して出勤するということも考えられます。
そういった対策としてよく見られるのが「法定外有給休暇」で、入社何か月したら2日間有給休暇を付与するとか、入社時付与とかしたりします。
今回のガイドラインの改正のポイント3はそれを導入していない企業に導入を勧めるとともに、導入済企業においてもその制度をさらに発展したものにしてほしい、ということになります。
私の個人的な意見ではありますが、やはり入社時に3日程度は特別有給休暇を付与するというのは必要なのではないかな、と考えています。病気や疲労で休みだけでなく、役所や銀行に行ったりしなければいけないといった場合もあるからです。
なかなか会社自体が有給を取りずらい環境ですと難しいのかもしれませんが、ぜひいい人材を集めるという視点からも導入してもらいたいものだと思います。

ポイント1はいわゆるワークライフバランスの推進ですね。家族のために時間が取れるようにという配慮を求めているものです。
ポイント2は選挙にいったりする公民権行使や裁判員(検察審査会もあります)の制度を導入することは法律で定められているわけですが、それを確認する意味があるようです。とにかく日本国民としての義務の履行を妨げるようなことは許されませんよ、という念押しですね。
ひっくり返せば、それだけ就業規則などでのさだめがされていない企業が多いということでもあります。

これらの内容に関してさらに詳しいことは下記を参照してください。
けっこうおもしろいですよ。


 『10月は年次有給休暇取得促進期間です』 https://mhlw.lisaplusk.jp/jump.cgi?p=1&n=27

 『労働時間等見直しガイドラインが改正されました』 https://mhlw.lisaplusk.jp/jump.cgi?p=2&n=27

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人事制度・労使問題・メンタルヘルス・安全衛生対応
社会保険労務士事務所 岡本労務管理事務所

特定社会保険労務士・産業カウンセラー・国家資格キャリアコンサルタント・RSTトレーナー・心理相談員
岡本 寛明

詳しくは下記ホームページで!
HP http://www.mercury.sannet.ne.jp/occam/
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気まぐれ社労士 

Author:気まぐれ社労士 
企業では安全配慮義務や労務管理、人事制度・諸規定など課題はたくさんありますが、今の企業では「疲れ」への対策がすごく重要です。少しでも人事関連で疑問やお困りのことがあればご連絡ください。きっと解決策が見つかります!





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